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3.金物について
正しい使用方法が求められる金物、しかし…
筋かいを柱に止める金物や柱の引き抜きを抑える金物など、木造(在来)2階建には多くの金物が使用されておりますが、金物会社が独自で開発した金物については、実験により必要耐力を確認することで、その金物の使用が認められております。
設計者は、各社毎に開発された金物が沢山あるため、使用に際しては、実験の条件を理解する必要があります。
設計者が全ての実験内容を把握するためには、金物各社から資料を直接頂く必要がありますが、実際これは、両者にとって非常に手間がかかり良い方法とは言えません。
一番良い方法は、金物各社が作成しているカタログに建物に使用する場合の注意事項を記入して頂くことです。
数社の金物会社に何度か記入を御願いしたことがあります。
時間をかけて社内で検討して頂いた会社もあったのですが、結局一社も記入して頂けませんでした。
“設計者が実験の内容を把握して使用するのはあたりまえです。” と回答された会社もあり、 “カタログには記入できなません。” と回答された会社もありました。
他社も同じような金物を販売しているので他社との競争に負ける可能性があるため載せられないということです。
建物に使用するための注意書きや挿絵等は、本当に簡単に書ける程度のもので十分内容が伝えられるのです。
修正された今の法律では、建物のありとあらゆる内容全てについて設計者と現場監理者が責任を負うことになっため、建築に携わる両者以外は逆に責任を感じなく無くなったようにさえ感じます。
そのため、同じ建築に携わっているにもかかわらず無責任な会社や担当者が増えているように見えます。
建築に携わる人達の多くがやりがいを感じるのは、責任を持てる良い建物の設計・監理・施工を行い、完成した建物に対してお施主様に本当に喜んで頂いた時だと思います。
設計者や現場監理者だけでは良い建物は建てられるはずがありません。
携わる全て人達が自分の持ち場で責任をとれる仕事をする必要があります。
金物各社は、本当に良い金物を開発し続けておりますので、以前より建物の強度が上り、現場での施工もし易くなりとても助かっているのは事実です。
あとは、その金物を採用し施工する人達が間違った使用方法で施工することがないようにして頂ければよいのです。
同じ金物を使用しても使用方法を誤って耐力を下げるのと、正しい使用方法により金物の十分な耐力を発揮させるのでは本当に大きな耐力差になります。約30年以内に大地震来ると予想されている地域が多い今の現状では、建物の水平荷重時の耐力を少しでも上げておく必要があます。
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